ライスレジン®のメリット、デメリットを印刷会社目線でまとめてみた


色合いがお米を連想させるライスレジンのペレット(原料)。

 

今や環境に優しいかどうかは、物選びの際の最も重要な要素になってきています。
今年の4月、プラスチック資源循環法が施行されコンビニなどで提供されていたスプーン、ストロー、ホテルの歯ブラシなど12品目が削減対象になり、特に使い捨てプラスチックを減らすことが優先課題となっていますが、その他のプラスチック製品も環境負荷の少ない素材への置き換えが進んでいます。

弊社の印刷するクリアファイルもしかりで、エコ素材に関するお問い合わせが多くなっています。
なかでも人気なのがお米を配合した「ライスレジン®です
ライスレジン®は、原料の一部に国内産のお米(廃棄米)を使用したバイオマスプラスチック。使用済みのライスレジン製品を焼却する時に排出されたCO2の一部を、原料のお米を生産する時に吸収したCO2により相殺する「カーボンニュートラル」が特長。弊社では、お米配合率20%のライスレジンPPシートを使用しクリアファイルランチョンマットなどの印刷・加工を行っています。

さまざまなメディアで紹介され、認知度も高まりつつあるライスレジン®。
WEB検索されている検索ワードを調べてみると「メリット」に加え「デメリット」が上位に…。やはり、いいところだけでなく注意すべきところを知りたい人が多い模様。

そこで今回はライスレジン®のメリット、デメリット(注意点)についてお伝えしたいと思います。

 


 

ライスレジン®のメリット

●CO2の削減
ライスレジン®を焼却処分するときにCO2(二酸化炭素)が排出されますが、原料の米を生産する過程でCO2を吸収しているので、その分のCO2の吸収と排出が相殺される仕組みを「カーボンニュートラル」と呼びます。例えば原料に20%のお米を含むライスレジンの場合、20%のCO2が相殺されることになり、100%石油系プラスチックを焼却した時のCO2排出量に比べ20%のCO2削減効果があります。 ※カーボンニュートラルについてはこちらもご覧ください。

 

●石油系プラスチックの削減
ライスレジン®の原料は、お米(生物由来資源)とPPなど石油系プラスチックを混ぜ合わせたものです。クリアファイルに使用するシートのお米の含有率は20%。そのお米分の石油系プラスチックが削減できるので、限りある資源の節約につながります。

●日本製
原料の生産、製造とも100%国内なので安心感があるのに加え、高品質かつ安定した供給が受けられます。

●休耕田・耕作放棄地の活用に貢献
ライスレジン®に使用されるお米は、例えば菓子や焼酎などの米製品を製造する際に生じる破砕米や古米などが中心でしたが、最近メーカーでは農業の課題解決という側面から、原料となるお米の生産を行い、需要が減り続ける食用米に代わり資源米を作ることで産業の創出も担っています。


※画像はイメージです

これらのメリットから、SDGsに取り組む企業や団体のノベルティグッズに自信をもっておすすめします。
また、ライスレジン®を使った製品にはバイオマスプラスチックの証である「バイオマスマーク」の表示が可能です。

 


 

ライスレジン®のデメリット(注意点)

●リサイクルできない
ライスレジン®は石油系プラスチックと混ぜてリサイクルすることはできません。しかし焼却処分の際には、カーボンニュートラルによりCO2を増加させることはなく、ダイオキシンなどの有害物質の発生もありません。

●生分解しない
バイオマスプラスチックは自然によって生分解されると考えがちですが、ライスレジン®は生分解性プラスチックではありません。バイオマスプラスチックにも生分解するものとしないものがあります。ちなみに生分解してほしいのは、農業、土木、園芸など主に屋外で使用されるプラ製品やポイ捨てされる食品のプラ容器など。クリアファイルに使う場合は、勝手に生分解されては困るのでデメリットにはなりません。 ※生分解性プラスチックについてはこちらもご覧ください。

以下、印刷に関する注意点です。

●黄色味がかった色合いと匂い
お米を連想させるナチュラルカラーもライスレジン®の特長のひとつですが、印刷時に地色の影響を受けるので注意が必要です。また、お米を炊くときのような匂いがします。一見ネガティブですが否定的な意見は少なく、好意的な意見が多数。これらはデメリットというより、むしろライスレジン®ならではの個性と言うべきかもしれません。

通常素材との比較

 

●印刷品質
原料のお米に含まれる澱粉が主な要因となり、表面にわずかな突起や黒点が生じるほか、平滑性も一般的なPPシートに比べ低いため、印刷時に色ムラやスジ、ピンホール(ベタ部の白抜け)などが発生することがあるので注意が必要です。

●小ロットの注文ができない
新素材の多くは、まとまった数量を仕入れる必要があるため、ニーズがあっても小ロットに対応できないのが現状です。たとえばライスレジンクリアファイルの場合、巷では数万ロットからしか注文できないようです。
でもご安心ください、弊社ではなんと100枚から注文が可能。在庫状況と数量にもよりますが、通常のPP製とほぼ同じ納期での対応が可能です。

 

今回は、お米由来のバイオマスプラスチック「ライスレジン®」のメリットとデメリット(注意点)についてまとめてみました。
通常は印刷にムラや白抜けなどがあるとNGだと思いますが、ライスレジン®の場合、印刷の仕上がり以上に環境負荷の少ない素材かどうか、イメージアップにつながるかなどが優先されることが多く、黄色味を帯びた色合いも「お米っぽい」「自然な感じがする」など、概ね好意的な印象。これも日本の主食お米の力なのかもしれませんね。

 

ライスレジンクリアファイルの詳細は → → こちら
ライスレジンランチョンマットの詳細は → → こちら

 

ライスレジンの最新情報はメーカーホームページ
株式会社バイオマスレジンホールディングス
https://www.biomass-resin.com/

 


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